話がしたい
ダンの納骨に際しての手配 管理物件のリフォームの打ち合わせ トラクターの修理引き取りの立ち会い 取り寄せた除草剤の引き取りと窓口での支払い そんな中、灯油が無くなった 土間の天井取り付けの蛍光灯が外れない・・・ 週明け早々にタスクが山積み あれもこれもそれも やらなければならない手続きも まだ残っている しんどいことはためてないで話して と母はいうが 相談したところで何の足しになるのか ためしにリフォームの見積もりを見せた。 すごい高くつくねんな もうあんたらに譲ってから長いからわからんわ と。 だったら聞くな! トラクターの修理も、灯油の手配も 電気工事も何もかもぜんぶ私がやらねばならない。 お金がどんどん消えていく。 昨日も銀行から電話があった。 ダンが母の保証人になっていたという。 その手続きで訪問したいと。 保証人?そんなこと聞いてなかった。 むろん、母は何も知らない。 何でも知りたがる母。 知っても 大変やな の一言で片付ける母。 心配してやっている と上から目線で言い放ち ただ、話し相手が欲しい母。 抑えていた感情が爆発して 久しぶりに口論になった。 老人に八つ当たりしてもしかたがないのに。 そしてあとで猛烈な自己嫌悪。 大人の振る舞いができない情けない私。 今は人を気遣う余裕がない。 自分のことで精一杯。 自分のきもちをコントロールできない。 私はだめな人間。 一人で抱えないで誰かをたよればいい と ひとは簡単に言う。 心療内科は満杯。 新規予約は受け付けていなかった。 それだけ病んでいる人が多いのか。 グリーフケアを探してみた。 主体は市役所だ。 秘密厳守となってはいるが 仕事の関係で市役所には知り合いが多い。 誰かと会ったらいやだ。 ダンがいなくなったことを知られたくない。 悲しみをうちあけたいけれど 同情されたくはない。 この矛盾。 母のことで ダンとよく愚痴を言い合った。 お互いに思うことは同じだった。 言うだけ言って、最後は しかたないよね 我慢するしか と。 お互いの悩みを共有できていた。 世の中に 姑とそりが合わない人は多いだろう。 しかし実母を疎ましく思う娘はどうだろう。 なぜ母を愛せないんだろう。 考えても答えがでない。 我慢して今日も 母に優しくする。 大切にするふりをする。 ダンがいなくなって 母のことを話せなくなったのがつらい...