こころが凍ると身体も冷える


朝起きて寒いなとカーテンを開けたら

雪だった。

冷え込むわけだ。


さらさらと降っていたが

途中から牡丹雪にかわった。

これは積もるかもしれない。

ひどくならないうちに散歩にいこう。

嫌がったけれど、

犬にもダウンを着せた。


雪はほどなく止んでしまったが

風が強かった。

空は明るくなったり暗くなったり目まぐるしい。

とても寒い1日になった。


こんな日は早く寝ようと横になっていると

夜の9時ちかくに車屋が来た。

こんな時間に・・・

仕事終わりに来たと言う。


ダンが車を買ったときにお世話になった人。

その人は逆によくしてもらったと

ダンの話をしてくれた。

長々と・・・


ダンのお気に入りの車。

とても大切にしていた。

ダンが運転して、私が助手席。

あちこちに出かけた、遠出もした。

思い出の車。

もう乗れない。乗ることはない。

思い出すと震えた。

冷たい液体がこころに注がれていく。

玄関先じゃなくて入ってもらえばよかった。

でも今はダンの話はしたくない。 


その人が帰って戸締りをしたころには

背中に氷を背負っているようだった。

すっかり手足が冷えきっていた。

足が痙攣して歩けない。こむらがえりだ。

これはいけない。

温めないと。


あわててお風呂につかった。

熱めの湯のなかで

こわばった足の指を1本づつひらいて

もみほぐした。

青白い足。

死体のようだった。


うつむいていると

ぽたぽたと涙が水面に落ちた。



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