犬は悪くない
墓地のリフォームは着工して
あとは完成するのを待つだけになった。
次は管理物件の外構工事の見積もりの検討中。
相場がわからないので相見積もりをとったが
A社とB社、工程の書き方が微妙に違って
素人には分かりづらい。
週明けには結論を出さないといけないが・・・
ダンがいたら
ダンだったらぱっと決断しただろう。
はーなーもー
仕事と雑事に追われ、
涙があふれるようなことは減った。
しかし悲しみが減ったわけではない
ダンがいない寂しさが
ふいに襲ってくる。
やはり朝晩の犬の散歩が辛い。
ダンと歩いていた道。
鼻歌を歌っていた。
喋っていた話・・・
何を話していたっけ。
もうだんだんと忘れてきている自分が
許せない。
情けない。
昨日、向こうから歩いてくる人に
犬がはしゃいで駆け寄ろうとした。
黒いダウンの背の高いひと。
出かけていたダンを駅まで
犬と迎えにいったことが何度もあった。
遠くから歩いてくるダンを見つけて
犬は大喜びで飛びついていた。
ダンじゃないよ
リードを引き寄せ、
そのひととすれ違った。
すれ違って数メートルで
ぶあっと涙があふれた。
ダンじゃないよ
でも
ダンだったらいいのに。

