別の名前になってしまった
本来は四十九日にすべきだったお墓への納骨。
先延ばしにしていた。
そのころはとても気分が落ちていた。
百箇日も過ぎてしまった。
なんとかしなければ。
納骨するには墓石を開けなければならない。
どうしたら良いのかわからない。
墓地を取り仕切る石材店に電話をした。
納骨には儀式が必要。そのまえに
墓標に刻印しなければならないらしい。
折り返し、用紙が送られてきた。
ダンの生前の名前と没年、
そして戒名を記入する。
住職につけてもらった戒名。
人となりをあらわすありがたい名。
ダンはもう別の名前になってしまった。
仏さまになって遠い国に行ってしまった。
ダンはもうここにいない。

