さらに悲しくなる

ダンがいなくなったとき

私は奈落の底に落とされた。

そこは真っ暗な沼だった。

粘着性をもった泥がまとわりついて

私を離さない。

いっそのこと

底に引き摺り込んでくれたらいいのに

泥は自由を奪いながら自由にさせない。

私は首だけ出してもがきながら

泳がされている。





死別者が集うSNSで毎日泣いている。


この半年で大切なひとを亡くしたひとが

多い。多すぎる。

みんなそれぞれの沼でもがき苦しんでいる。

自分だけじゃない。

ひとりじゃない。

変な安堵感と共有感に包まれる。

顔は見えないけれど

声が聞こえる。

あちらの沼から

こちらの沼から

悲しみを吐き出して

おもいきり泣く声がする。

それに同調する人がいて

慰める人がいて

家族や友人や誰のどんな言葉がけより

リアルでやさしい。

みんながみんなを癒している。


お互いを知るにつれ

若い人が多いことに気づいた。

なんということだろう。

まだまだこれから

楽しいことがいっぱいあっただろうに。

人生の波も

伴侶と一緒に乗り越えられただろうに。

そうおもうと

涙が止まらない。



私はダンと長い間過ごすことができた。

今までの人生の半分以上を

一緒に過ごしてきた。

幸せだったと思うべきだろう。


いや、だめだ。

一緒にいた時間が長かった分、

今はとてもさみしい。

ダンが恋しくてたまらない。

さらに悲しくなっている。




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