悲しみに浸っていて何が悪い

避けていたTさんにばったり会った。

うすら笑いをうかべて

もう元気になった?  と聞く。

無言で首を振っておいた。

ダンがいなくなってまだ2ヶ月ちょっと。

あなたの奥さんならあなたが亡くなっても

2ヶ月でケロッと元気になるんですかね?

今度聞かれたらそう言い返してやろう。

前々から神経に触ることを言う人だったが

腹が立った。

そして悲しさが倍増した。


やはり外には出たくない。

人には会いたくない。


とはいえ、仕事がたまっている。

管理物件から持ち帰っていた生垣の剪定枝を

はやく片付けなければならない。

いつまでも放置しておくのは見た目も悪いが

このご時世、放火でもされたら大変。

自分で焼却しよう。

(農家で農業用地だから焼却許可はあります)

ダンは焚き火が上手だった。

少しくらい湿気っていても、生木でも、

剪定枝の山をあっという間に焼却していた。

コツがあるんやで って得意げに言っていた。


ダメだよ私は。

火をつけてもぜんぜん燃え広がらない。

すぐに鎮火してしまう。

持ってきた新聞紙の束が灰になっておしまい。


はーなーもー


ダンがやっていたことを思い浮かべて再チャレンジ。

剪定枝をさらに細かく切って隙間なく積んだ。

それでも燃えつきがイマイチだったから

奥の手を発動。

風呂の焚き付け用の杉の葉(乾燥済み)を突っ込んだら

バッと燃え上がった。

さらに薪をくべて火種にした。

ズルいなあ とダンが言った。

そんな気がした。

だって、あなたがいないんだもの。

どんなやり方でもいいやん・・・

泣きながらどんどん切って

どんどん燃やした。


昼頃までかかって全てを焼却することができた。



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