バッテリーあがり
夜遅くに帰省してきた息子(タロウ)
が起きてくるのを待って
墓参りに行った。
数日前から母の足どりが覚束なくなってきた。
車からの乗り降りにふらつく。
手を差し伸べたら
足が先につかないと怖い と言って不機嫌になる。
足をつけさせようと手助けしているのに。
墓は石ばかりで私にはあぶない と言う。
先祖代々の墓にダンはまだ入っていない。
来年早々に石材店に申し込まねば。
納骨に合わせて墓の敷地にある古い墓石を
整理しようとおもう。
ダンは自分が年老いて死期が近づいたら
傾きを直してきれいにしたいと言っていた。
まさかこんなに早いとは
思っていなかっただろう。
帰宅後、タロウが私の車を洗ってくれた。
いつも年末にはダンが洗って
ワックスをかけてくれていた。
車を買って以降、私が洗車したのは
ほんの数回だった。
いままでずっと。
あたりまえのように洗ってくれていた。
私はただありがとうと言うだけだった。
ありがとう って
ダンの背中にしがみつきたい。
タロウは翌日に田を耕すと言う。
作業の準備をしていたようだが
トラクターのエンジンがかからないという。
ごめんね
私は機械のことはわからない。
彼も運転するのは3回目だ。
ダンから聞いていた方法を試すも
エンジンはカラカラと変な音を立てて
かからない。
バッテリーが上がってしまったのか。
そもそもそのバッテリーが見つからない。
車体の下を見ても
座席の下を見ても
どこにあるかすらわからない。
タロウは説明書を繰るばかり。
はーなーもー
タロウがとトラクターと格闘している間
トイレを掃除して
犬を洗い、浴室を掃除した。
案の定、私もバッテリーが切れてしまった。
ベッドに倒れて
今頃目が覚めてブログを書いている。

