壁面パンジー 娘も辛かった
相続手続きに必要なサインをもらうため
遠方の娘の家に行きました。
電車に乗って乗り換えて
都会の雑踏を歩く元気がなかったため
高速道路を使いました。
それはそれで怖かったけれど、
車内にはひとり。気楽です。
コンクリートの無機質な風景と
カラッと晴れた冬空がよかった。
降り口を間違うことなく到着しました。
近くの公共施設の看板?にパンジーが。
ここだけ春のよう。
孫は相変わらず元気いっぱい。
ワンオペで大変だ と言っていましたが
昔は男の人はオムツどころかあやしたりもしなかったよ。
せいぜい家族をどこかに連れて行ってくれるくらい。
休みの日に赤ん坊を一日面倒見るなんてゼロでしたよ。
最近の若い男のひとは大変だと思う。
料理も洗濯もできないと肩身が狭そう。
もちろん、仕事もして稼ぎが多くないといけないし。
孫がダンの写真を見て、
じいじ って言うんだよ と。
たまにしか会わないのに、孫はダンに懐いていた。
ダンの四十九日の法要の前日に
ダンが娘の夢に出てきたそうだ。
孫が成人するまで生きていて欲しかった というと
ダンは ごめん と。
ほかにも娘はいろいろと言ったらしいがそれに対して
ごめん としか言わなかったと。
娘は泣いていた。
私も泣いた。
通夜も葬式もシャキッとしていて
私を支えてくれていた娘は
ずいぶんと気丈だなと思っていた。
すでに独立していたからドライなのかも とも。
でも違った。
娘もずっと悲しんでいた。
悲しいのは私だけではなかった。
ランチは近くのインド料理店からテイクアウトした。
このボリュームで1000円からお釣りが来る。
しかもとても美味しくてちょくちょく食べていた。
娘は来春、あちらの両親と同居生活を始める。
もうこんなふうに気軽に
娘のアパートに押しかけることもできない。
寂しい。
楽しい日々はいつまでも続くと思っていたのに
世の中に永遠と不変はないのだ。


