若年生アルツハイマーか?


満中陰に花を備えようとした時、

花切り鋏が見当たらなかった。

すかさず母が

もう二週間前から無い。どこにやったんだ!

と私を叱り飛ばした。

私はいつも使ったら元に戻している

オマエが失くしたんだ と。

えええ。またいつもの言いがかりか。

カッとなって言い返した。

また泥棒がはいったんとちゃうかー


先日、母が探してしたメガネは

洗面台近くの階段で見つかった。

それと同様に、また母がどこかに置き忘れているに違いない。

母がちょい置きしそうなところを探したが見つからず。

ちょうどタロウが居合わせたからその場は 収まったけれど

2人暮らしだとおとなしい母は第3者がいると強気に出る。

自分の境遇(年寄りだということ)を猛烈にアピールする。

私への鬱憤が爆発するのだろう。


ダンは実母とは折り合いが悪く、長く冷戦状態が続いていた。

ここ数年は一言も話さない日もあった。

母はおしゃべり好きだからそれがとても不満で

話をしてくれないとボケる ボケたら困るのはあんたらや

と言い放っていた。

相手を攻撃するのは老人特有の症状だ。

それでなくても母は昔から人の悪口を多く言う人だった。

常に比較してケチをつけて

それで自分の優位性を保ちたい人なのだ。


はーなーもー


1日置いて、冷静になって考えてみた。

2週間前のことを思い出してみようとした。


あれ、思い出せない・・・

私は何をしていたっけ。

全く思い出せなくて頭の中が真っ白だ。

顔は青くなった。

ひょっとしてボケが始まっているのは私の方?

ちょっと待ってよ・・・

不安な気持ちを抱えながら生ゴミを勝手口外に捨てに行ったとき

ゴミ箱の上にあるツールハンガーに

花切り鋏が引っかかっているのを発見!


2週間前祭壇に供える花を水切りした時に鋏が濡れた。

母の鋏が錆びたらあかんと思ってここに干したのか。

私が?

いや、ぜんぜん覚えていないんですけれど。


若年生アルツハイマーか?


私はそもそも忘れっぽい性格だった。

いろいろやることがあってもすっぽかしたりした。

また忘れたんか まだやってなかったんか と

よくダンに怒られていた・・・

そんなとき母も横から一緒になって私を叱っていた。

それぞれの性格がせめぎ合っていた日々。


もうすべてを忘れてしまいたい。





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