一区切り

満中陰とは、命日から49日目の忌明けの日。

忌明け、いみあけ ということもある。

亡くなった日から49日の間は中陰と呼ばれ

故人の魂の行き先を決められる期間なのだそう。

中陰の間は故人のために

残された物たちは一心不乱に念仏をとなえ冥福を祈る・・・

念仏が足りなければ故人は地獄行きなのか?


宗派によって捉え方はまちまちだ。

浄土真宗門徒派はいたってシンプル。

故人はすぐに仏となって浄土に生まれており

俗世の苦しみから救われ安らかに過ごしているから

嘆き悲しむことはない と住職は説く。

念仏は残された者たちの心を癒し、この縁をもって

深く仏教に帰依するためのものなのだそうだ。

死は忌むものではなく、浄土に生まれ変わらせていただく

むしろ幸せなこと だと。

そうか。ダンは苦しみから解放されて

あの世(浄土)で幸せに暮らしているのだ。

よかった・・・

しかし、私たちは。

このひと月半ほどは本当に辛い日々だった。

ダンの死に向き合えない。

これからの不安で眠れない日々。

それでもやることがいっぱいで頭も体力もすり減って

地獄に落ちているのは私のほうなのだ。



法要の後、料理屋に場所を移して会食をした。

参列してくださった親戚たちに

忌明けを迎えることができた感謝の言葉を

タロウがメモを見ながらたどたどしく発表・・・

こんな時、ダンはそつなくビシッと決めていた。

たしかに息子にとっては初めてのことで

とりとめのない内容になったとしても仕方ない。

わかっていてもイラっとする。

ささやき女将になりそうな自分を抑えて頭をさげた。


はーなーもー



とにかく満中陰の法要が無事に終了した。

大きなミスもなく準備していた粗供養の品を渡しておひらき。

一連の行事にも一区切りがついた。

やれやれ、なんとか終わった。

ダンは及第点をくれるだろうか。




このブログの人気の投稿

ひとりで老いていく

保険は助けてくれなかった

旅行は最悪だった