ひとりで老いていく
年始早々、地雷を踏みまくって こころが萎えてしまった。 何もやる気がでない。 昨日は息子の誕生日だから せめてケーキでも とデパ地下に行ったら 午後3時過ぎなのにケースの中はまばら。 よく売れている。 そう思うとスッと寂しさがこみあげた。 家族や親戚、友人たちで集まって 買ってきたケーキを取り出しながら わいわいがやがや 楽しく過ごしている光景が浮かんだ。 一年前はうちもそうだった。 まさかこんなことになるなんて 思いもよらなかった。 背後には家族連れやカップルが 楽しげに喋りながら行き交う。 店員の声にうながされて ショートケーキを3つ買った。 どっと疲れた。 右目の下が痙攣してピクピクと動く。 顔面神経痛かもしれない。 ネットで調べたらストレスが原因らしい。 ひどくなると目が開いたまま乾き 口が歪んでしまうこともあり 最終的には手術が必要になるらしい。 出かけていた息子が帰宅して 食事を出した後 ベッドに横になった。 横になっているのに、頭がふわふわとする。 回転性めまいだ。 内耳の耳石が剥がれておこる 平衡感覚の誤作動だ。 昨年の6月に発症してから久しぶり。 さいわい、今回は軽くて吐き気はなかった。 これは加齢によるものだから どうしようもない。 わかっているが不安が倍増する。 ダンがいたら 歳をとったね。老人力がついたね。 などと笑って老後を過ごせただろう。 お互いをたしなめたり、はげましたり。 加齢による不具合を慰めあえただろう。 残された私はそれをひとりで 体験していくことになった。

