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2月, 2025の投稿を表示しています

子供にとって母は世界のすべて

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母は自己肯定感の強い人だ。 自分のすることはすべてが正しい という強い信念を持っている。 そして 自分の意に沿わないこと(人)は 常に批判。 ◯◯はダメだ ◯◯はダメな人だ これをしてはダメ あんな人になってはダメ 母は自己防衛本能の強い人だ。 自分のミスを責められると 巧みな言い訳で責任を逃れてきた。 私はするつもりはなかった ◯◯のせいでこうなった 〇〇がしなかったからこうなった 私は悪くない 悪いのは◯◯だ。 子供にとって母親は絶対的存在。 虐待を受けていても幼子は母を慕う。 子供にとって母親は神だ。 子供にとって 母の言うことすることは宗教だ。 神の教えに従うように 私は小さい頃から母の愚痴を聞いて育った。 母の話の中では 祖父も祖母も叔父も叔母も全てが敵で 母をいじめる悪い人だった。 母の親兄弟もみな自分勝手で嫌な人ばかり。 母は私たちのために 我慢して生きていると言った。 家を支えて十二分に働いていた父でさえ 批判の的だった。 自分はとても苦労させられ 虐げられている と。 私は可哀想な辛い人生なのだ と。 母の苦労話を聞くたびに、 私は母を大切にしなければ 幸せにしてあげなければ  と思っていた。 ダンと結婚するまでは。 ダンという第三者の目からみた考察は それまでの私の価値観を覆すものだった。 ダンにいわれて冷静に判断すると 祖父も祖母もやみくもに悪い人ではなかった。 2人ともいい面がたくさんあった。 叔父も叔母も、それなりにいい人だった。 ただ、母の気に入らない事をしただけ。 それにいつまでも固執して 自分を被害者に仕立てる事で 私を味方に付けたのだ。 自分勝手なわるい人は母自身だった。 私は母に洗脳されていたのだ。 私の娘も今、子育て真っ最中だ。 子供は母親を通して世界を知る。 気をつけてほしい。 子供のまっさらなこころに 間違った先入観を植え付けないように。

高齢者をみつめて

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老母は最近まで、ひとりで バスに乗って徒歩で通院できていたのに 私が車で送迎するようになると 歩くのも覚束なくなった。 筋力も気力も衰え出したら早い。 はじめは病院前で降ろし 診察後に迎えに行っていたが 今は病院内まで付き添って 先生の話を聞き取り 母の耳元で説明を伝えて 会計まで。 荷物を持ったり服を着せてもらったり 世話をしてもらって母は満足げだ。 待合室でぼうっとしている。 こうやって衰えていくのだな。 坂道を転がり落ちるように 何もかもできなくなっていくのか。 暗澹たる思いが湧き上がる。 私が付き添うようになって 看護師たちはホッとしている様子。 病院はいそがしい。 耳が聞こえにくくて ヨボヨボとしか歩けない老人の世話は 付き添い人にまかせたい。しかし 老人の相手は厄介だが まめに通院してもらいたいようだ。 電気治療に通う老人には愛想がいい。 老母はあらたに膝痛がでた。 レントゲンを撮ると 膝頭の一部分が欠損していた。 骨粗鬆症があちこちに出現しはじめたのか。 医師はレントゲンを指し示しながら 根本的な治療は手術になる という。 高齢だから無理 という。 ヒアルロン注射をします と。 看護師が張り切って別の部屋に案内。 ベッドに寝かせると私は追い払われた。 注射が終わると手招きされて 老母を迎えに駆け寄る。 脇腹に加えて膝の注射に 2週間ごとに通うことになった。 ヒアルロン注射は気休め。 一時はよくても 繰り返すうちに効きにくくなるらしい。 ローション状の痛み止めで我慢するしかない。 逆流性食道炎もたびたび起こるようになり 家の中の移動も時間がかかるようになった。 だんだんと状態が悪くなっていく母・・・ ただ、見守るしかない。

命をわかちあえたらよかった

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ダンは健康には気をつけていて  いつも私より先に検診に行っていた。 そして、大腸がん検診用のキットを もらってきてくれた。 オマエも早くいけよ と。 ぐずぐずしている間に 2月末までの期限が迫ってきた。 病院に行くのは久しぶり 看護婦さんが 落ち着かれましたか いえ、なかなか・・・ 消え入りそうな声しか出なかった。 みなダンが亡くなったことを知っている。 いたわりの目で私を見つめている あたたかいけれど これが切ない。 先生もやさしく 検査結果を熱弁してくれた。 心電図も、尿検査も、骨密度も どこも悪くないと褒めるように言ってくれた。 昨年のコレステロール値をみながら 長生きできるよ と。 長生き しても何になりましょう この寿命を半分、ダンにあげたかった つい涙がこぼれてしまった。 先生はわるくないのに。 私だけ健康で長生きしてもしかたがない これからずっと寂しさを味わい続けるだけ こころが病んでしまいそう ダンの病気を半分こできたらよかった 同じ苦しみをわかちあえればよかった そしてふたりで 寿命をまっとうして 同時に死ねたらよかった。

犬は悪くない

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墓地のリフォームは着工して あとは完成するのを待つだけになった。 次は管理物件の外構工事の見積もりの検討中。 相場がわからないので相見積もりをとったが A社とB社、工程の書き方が微妙に違って 素人には分かりづらい。 週明けには結論を出さないといけないが・・・ ダンがいたら ダンだったらぱっと決断しただろう。 はーなーもー 仕事と雑事に追われ、 涙があふれるようなことは減った。 しかし悲しみが減ったわけではない ダンがいない寂しさが ふいに襲ってくる。 やはり朝晩の犬の散歩が辛い。 ダンと歩いていた道。 鼻歌を歌っていた。 喋っていた話・・・ 何を話していたっけ。 もうだんだんと忘れてきている自分が 許せない。 情けない。 昨日、向こうから歩いてくる人に 犬がはしゃいで駆け寄ろうとした。 黒いダウンの背の高いひと。 出かけていたダンを駅まで 犬と迎えにいったことが何度もあった。 遠くから歩いてくるダンを見つけて 犬は大喜びで飛びついていた。 ダンじゃないよ リードを引き寄せ、 そのひととすれ違った。 すれ違って数メートルで ぶあっと涙があふれた。 ダンじゃないよ でも ダンだったらいいのに。

アンガーマネジメント

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先日、出かけ先で母が転んだ。 椅子に座ろうとしたら 座面があちら向きになっていた  という・・・ 脇腹を強く打って痛がるので 湿布を貼って寝かせた。 翌朝、病院でレントゲンを撮ったら 肋骨にヒビが入っていた。 本人は折れたと言っているが・・・ 87歳になるとヒビも骨折と同等だ。 痛いことに間違いはない。 数日後、病院に技師が来て コルセットをあつらえた。 母がコルセットを作るのは2回目。 前回は体に合わず、数日で外した 高かったのにしょうもない商品だった せっかく作ったのに 役立たずで背中が曲がってしまった と ボロクソに言い放つ。 今回はちゃんとしてほしい と。 技師の方は苦笑いしていた。 いろいろ難癖をつけられても 丁寧な話し方で母の機嫌をとりながら コルセットを装着、微調整を繰り返す。 老人の扱いに慣れているなと思った。 アンガーマネジメントができている。 母は優しくされて上機嫌。 今回のはよくできている。 これはいい と満足して帰宅した。 のに・・・ 止められた入浴を敢行する。 骨がくっつくまでシャワーにしろと言われたのに。 シャワーでは温まれないと。そして やっぱりコルセットが合わない  胴回りがブカブカする と。 調整してもらっていた時に どうして言わなかったの と言うと せっかく作ってもらっているのに こちらからは言えない と。 説明されても聞こえんし(いや、ちゃんと聞いていた) 今回も下手くそやったな と言い放つ。 はーなーもー 母の要望どおりに コルセットを締め上げた。 技師からは キツくすればいいものではない と聞いていたが 母のしたいようにする。 そうしたら これでは何もできない かがむことができないから靴下も履けない 自由を奪われて情けない と。 文句ばかり。言いたい放題・・・ 何のためにコルセットをしているのか 安静にするためだろう。 ヒビが入った骨が修復するまでの辛抱だ。 そういうことも だんだんと納得できなくなってきている。 技師に言われたことを伝えてみたが それはオマエの意見だろう 勝手に押し付けんといて だと。 最後は口論になってしまった。 私は無理。 アンガーマネジメントができない。

枯葉のように

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今日は泣かなかった スーパーに並んだ ダンの好きだったものを見ても やんわりとスルー 仕事をしながら 晩ご飯のメニューを考えることはなかった そして 足早に帰宅することもなかった 家で待っていてくれていたひとはもういない ダンはいない 木から落ちた枯葉が カサカサに乾いて吹き寄せられて 踏まれて 粉々になって消えてゆく 私の身体も消えてしまえばいいのに

今さら・・・

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農家組合に組合費を納めに行ってきた。 集会所には年配の役員の方々がずらり 久しぶりに見る面々に緊張した。 昨年はこの中にダンもいたんだなと思う。 春以降、ダンは体調を崩して 夏には休みがちになり、 出合い仕事には私が代理で出席していた。 ダンはきっとよくなる。 私は暑さのなかの当番も、仕事も いっときのことと思って頑張った。 ダンがいなくなって これからはずっと私が続けることになった。 町内の他の団体からは抜けたが 農業を続けるには組合に在籍する必要がある。 今年度の会費を払ったあとで 中身を確認してと封筒を渡された。 ダンの役員報酬だという。 半分も、仕事をしなかったのに頂けません と固辞したが 決まりだからと・・・ ダンは近年、組合の仕事に忙殺されていた。 人付き合いがしんどい と漏らしていた。 それに見合う額なのだろうか。 封筒に入った紙幣数枚・・・ ダンが受け取るはずだった報酬 私がもらったとて何になろう。 向かい風に自転車を漕ぐ帰り道 涙があふれて飛び去って行った。

ききたいことがある

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3ヶ月あまりが過ぎ去った ダンのいない歴史が刻まれていく ダンの知らないその後の私の人生は とてもつらいものになった この3ヶ月、 いろいろなことがあったよ 生きているって大変だよ そちらから ダンは見ているのかな ダンはどう思っているのかな 私が泣いていたら うれしいだろうか かなしいだろうか  

疲れてしまった

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毎日、小さな怪獣の相手をして大騒ぎ。 一緒におでかけして散財して発散して 娘たちが帰っていった。 おもちゃや育児グッズがなくなったら 部屋はもとのがらんどう こころにもぽっかり穴が開いて 私も脱力してしまった。 しかし、ゆっくりとしてはいられない。 月命日に住職とともに 墓に行って墓石の抜魂(おしょうねぬき)をしていただいた。 先祖代々の墓地は地盤が雨で流失し 左側に傾いている。 そのことを墓参りのたびにダンが気にしていた。 いつかちゃんとしたいと・・・ 今だと思った。 ダンの納骨に際して 墓地を整備しよう。 先月から業者と何回も打ち合わせ。 要望を入れていくうちに 意外と費用がかさんでしまった。 どうしよう。 子供達にLINEでプランを見せた。 みなシンプルなほうを選んだ。 ダンだったらこちらでは と。 唯一、老母だけは違った が それは無視。 正式に契約を交わして、着工した。 残っていた事業と私と老母の分の 確定申告をした。 会計士に丸投げだ。 明細を整理してエクセルに落とし 必要な資料を揃えるだけ。 できるひとには大したことのない作業 だが、私には苦痛。 物件にかけた火災保険の更新に不備があった。 他にも2つほど抜け落ちていた。 ああ。 この先ずっとひとり やっていけるのだろうか。 不安に押しつぶされそうになる。 並行して外構工事の見積もりに目を通す。 事業建物の生垣を伐採して フェンスにするのだが 専門用語が並んでいて何のことやら。 ネットで調べて 現地に再度行って確認・・・ 高額なだけに頭が痛くなる。 週半ば、 出かけ先で老母が転び脇腹を打ち 痛がるので病院に連れていった。 肋骨が折れていた。 レントゲン撮影によると もう骨がボロボロなのだそう。 通院の送迎が増えた。 車の乗り降りも緩慢になった。 部屋を歩くのも辛そうだ。 昨日は食道の具合が悪くなり 食事を半分以上残していた。 母もいよいよか と不安になる。 そして、大寒波。雪もちらつく。 寒くて気分は落ち込む一方だ。 今週は疲れた。 とても疲れてしまった。 共済保険の手続きにも行かねばならない。 ダンのことについて根掘り葉掘り聞かれて 説明するのがつらい。

魂の存在

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娘と孫が泊まりがけで滞在している。 初日は移動でバタバタと疲れて はやく就寝となった。 その翌朝 先に目がさめた孫が 部屋の隅を指さして じいじ・・・   と言ったらしい。 1歳7ヶ月の幼児には見えるのか ダンが来ているのか。 かつて娘も 祖父が亡くなったあとに 台所に立っている祖父を見たという。 祖父の遺してくれたお金で 自分の通学用自転車を買った日。 よかったな と笑っていたという。 孫はかわいいな と言っていたダン。 抱き上げてあやすときは 蛸のような顔つきになって おどけて くしゃくしゃの笑顔だった また抱っこしてやりたいな  くすぐって笑わせたいな そう思っているのだろうか 昨日も孫は部屋の隅を指さしていた じいじ・・・ そこに来ているの? そこに立っているの? 声をかけて どんなに目をこらしてみても 私には見えない

つらい時に頼りたいのは犬も同じ

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相変わらず早く目が醒めるが 外に出るのが億劫。 ブログをUPしながら家の中でぐずぐずしている アラームが鳴るまで・・・ 犬飼いにとって毎日の散歩は欠かせない。 運動させる必要があるのはもちろん、 我が家の犬は野外トイレ派だから 朝晩、かならず散歩に行ってやらねばならない。 先日、犬の体調が悪くなり下痢が続いた。 犬はよっぽどの事態でない限り 自分の縄張り内には絶対に排泄しない。 それは部屋の外の庭であっても 里子で引き取った当初は トレーニングができていたのに 外で排泄をするようになってからは 彼女はすっかり忘れてしまった。 気持ちが悪くなると擦り寄ってくる。 玄関に行って、私とドアを交互に見る。 トイレに連れて行ってほしい というサイン。 寒い中、何度も散歩に行った。 犬はウロウロと物を探すように歩き、 ようやく少し出して、帰る。 しばらくしてまた外に出たくなる。 そのうち、私自身もお腹の調子が悪くなった。 何度もトイレに走る羽目になって ようやく気がついた。 寒さのせいだ 犬には甲状腺機能障害の持病がある。 体温調節が苦手だったことを忘れていた。 身体が冷えて不調になったのだ エアコンの温度を上げ パネルヒーターを設置し ラグは二重にして底冷えを防ぎ 犬には服を着せて温かくした。 フードも消化が良いようにふやかして。 翌日にはすっかり回復 お腹の調子もよくなった。 はーなーもー 愛犬は今年の春が来たら13歳になる。 人間に換算すると74歳の高齢者だ。 これからこんなことが増えるのだろう 目や耳が不自由になったり 足腰が弱ったり骨折したり 内臓が悪くなるかもしれない 寝たきりになったりするかもしれない。 漠然とした不安がわいてくる。 ダンがいたら 心配ごとや世話のあれこれを 分かち合えた 様子を相談したり、病院に連れて行ったり いつか別れの時がくる それはさほど遠くない気がする そのとき 一緒に悲しんでくれるはずの ダンはもういない